親の死をきっかけに「今を大切に生きたい」と考えるようになった私。働き方や職場での違和感に悩む中で、転職もひとつの選択肢だと気づきました。自分らしく生きたいあなたへ、共感と気づきをお届けします。
親の人生から学んだこと
私の父は、60歳で定年退職しました。
けれど、その年の9月――退職して間もなく、急病でこの世を去りました。
父は長年、大きな組織に勤め、単身赴任もしながら家族を支えてくれた人でした。
でもその裏では、大きな組織ならではの人間関係や、自分の立ち位置に悩みを抱えていたのだと思います。
私が結婚して家を出てからも、母から「お父さん、帰ってきてため息ついてたよ」と聞くことがありました。
そんな父が、やっと退職して「これから」という時。
畑で野菜を育てたり、孫たちの送迎を手伝ったりと、母と一緒に新しい日常を楽しみ始めていた矢先――
突然、神経系の難病を発症し、発症からわずか5日後という早さで、旅立ってしまったのです。
あまりに急な出来事で、家族全員が呆然としました。
その後、母は十数年にわたりひとりで暮らしていました。
母は専業主婦として私たちを支えてくれた人ですが、50代で自宅に小さな書道教室を開きました。
長年打ち込んできた書道を、生徒さんたちと一緒に味わう日々は、母にとって心の支えであり、喜びだったようです。
教室が終わったあとは、「今日はね、生徒さんがこんな作品を書いたのよ」と嬉しそうに話してくれたり、お抹茶を立てて喜んでもらえたことや、生徒さんとのお喋りが楽しかったことなど、たくさんの話を聞かせてくれました。
そんな時間が、母にとってかけがえのない日々だったのだと思います。
でもその母も、ある夏に体調を崩し、入院。
検査の結果は、肺がんのステージ4。
治療の施しようもなく、あれよあれよという間に、10月には息を引き取りました。
まだ72歳。人生を楽しむには、これからがちょうどいい時期だったのに、という思いが胸を締めつけます。
あんなに真面目に、堅実に、そして人のために尽くしてきた二人が、
これからというときに次々と旅立ってしまった――
私は、親の生き方と死にざまを間近で見て、心の奥にずっしりとした思いが残りました。
「人生って、こんなにもあっけないのかもしれない」
そんな思いが、今も胸のどこかに残っています。
だからこそ私は、今を大切に、自分の道を選びたい
両親の生き方を見て感じたのは、
「真面目に、我慢しながら生きてきたとしても、人生には思いがけないことが起こる」という現実でした。
そして、だからこそ「いつか」ではなく「今」を大切にしたい、と強く思うようになりました。
両親のように、目の前のことを一生懸命に頑張っていたとしても、時間はあっという間に過ぎていきます。
本当にやりたいこと、心がときめくことを後回しにせず、少しずつでも動き出したい。
「もっと自由に、自分の意思で人生を選びたい」
そんな想いが、今の私を突き動かしています。
仕事も人生も、“こうあるべき”に縛られずに。
自分らしい選択を積み重ねていくことが、これからの毎日を、もっと心地よくしてくれるに違いありません。
職場で感じた“違和感”の正体
最近、特に職場での「居心地の悪さ」を強く感じるようになりました。
以前はなんとなくやり過ごせていたことが、今ではひとつひとつ気になってしまうのです。
私のいるセクションも若い世代が増え、気がつけば私は“指導する立場”になっていました。
Z世代と呼ばれる人たちは価値観も働き方も大きく違い、ちょっとした接し方や言葉選びに気を遣うことも増えました。
周囲を見渡せば、同世代の男女の一部は、精神的なプレッシャーが大きい今の職場を辞めて、精神的にゆとりのある職場へと転職しています。
また最近では、若い人たちの間でも、職場に違和感を覚えたら早めに見切りをつけて退職するという風潮が強くなっています。
そんな周囲の変化を目の当たりにする中で、「自分はこのままでいいのだろうか?」という思いが次第に強まっていきました。
さらに、年齢を重ねる中で、これまで以上に人との距離や温度差を感じるようになりました。
ちょっとした言動にも敏感になり、組織の中で自分の立ち位置を見失いそうになる時もあります。
職場の上司は、みんなの前では「協力し合っていこう」と綺麗ごとを並べますが、遅くまで残業していることを知っていても、進捗や体調を気遣うひと言すらない。
そんな表面的な「協力」を装う空気に、私の中の違和感はますます強くなっていきました。
今の職場で都合のいい人材であり続けることに、私はもう限界を感じ始めていたのです。
だからこそ、私は一歩を踏み出したい
周囲の転職を見ていると、皆が自分の未来を真剣に見つめていることを強く感じました。精神的にゆとりのある職場で、自分らしく働ける場所を選ぶことは、決して我慢や妥協ではなく、より充実した生活を手に入れるための一歩だと気づいたのです。
私も同じように、今の職場での辛さに押しつぶされるのではなく、自分の価値観に合った働き方を実現したいという気持ちが強まりました。
周囲の変化に影響を受け、思い切って自分の可能性を広げるために、一歩を踏み出す決断をしようと決めたのです。
転職はただの逃げではない。自分の心と体を大切にし、より良い環境でこそ、これからも力を発揮できると信じています。この選択が、未来を明るくする第一歩になると感じています。
今の職場で感じた違和感も、過去の経験も、すべてが「これから」の人生を自分らしく描くためのきっかけだったのかもしれません。
同じように、どこかで「このままでいいのかな」と感じている方へ。少しでも、私の言葉がヒントになればうれしいです。
自分らしく生きるための第一歩を踏み出す勇気
親の生きざまを見て感じたのは、「今を大切にすること」の重要さでした。父と母はそれぞれの人生を懸命に生きてきましたが、どちらも予想外の速さで旅立ちました。そんな中で、「何かを後回しにするのではなく、今を全力で生きること」がどれだけ大切なのかを実感しました。
一方で、職場で感じた違和感もこの気持ちを強くした要因です。長年続けてきた仕事の中で、責任だけが大きくなり、組織の都合に合わせることに違和感を覚えるようになり、ついには「自分の人生はどこに向かっているのだろう?」と考えるようになりました。親の生き方を通して、もっと自分らしく、今を大切にして生きるべきだと強く感じるようになったのです。
もし、この記事を読んでいるあなたも、職場や生活の中で「自分に合わない」と感じていることがあれば、少し勇気を出して変化を起こすのも一つの選択肢です。
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